ブックタイトルプレミアムヘッドホンガイド Vol.19

概要

プレミアムヘッドホンガイド Vol.19

\OPEN［ ダイナミック型 ］ 投 票No.164 IE 80 SSENNHEISER「ハイエンドイヤホン」と呼ばれる製品が現れはじめた初期に登場し、その分野の確立にも貢献した、名機「IE 80」が「S」にアップデートされた。ダイナミック型シングルというシンプルなドライバー構成はもちろん、ダイヤルによる低音調整機構も継承。遠目にはフォルムにも大きな変更はないように見えるかもしれない。しかし実物を手に取ると、初代のイメージを継承しつつ、筐体の形状は丸みを帯びたデザインに刷新されていることがわかる。そしてそのおかげで着け心地が大幅に向上。そもそも「IE 80」自体、ハイグレードのダイナミック型イヤホンの中でも軽量な部類だったが、形状の改善によって、装着性のよさはトップクラスに躍り出た。見た目の印象を変えることなく、見事なアップデートを遂げた。細かなところでは右のケーブル付け根に赤のストレインリリーフを配置し、左右の判別をしやすくなっている。　サウンドは先代の好ましいほぐれ、音の当たりの柔らかさを生かしつつ、中高域はより明瞭に、低域は少しタイトにまとめ、ボーカルの見え方がすっきりとした印象。サウンドも装着感も聴き疲れさせない、高級感が味わえる仕上がりだ。低音調整ダイヤルはかなり低めの帯域に効くので、多少上げ目にしてもベースがボーカルを邪魔してくることは少ない。低音の存在感もほしい場合は積極的に上げるとよいだろう。使い勝手のよい、ユーザーフレンドリーな逸品だ。（高橋 敦）正当なる進化を遂げた不動のロングセラーモデル問ゼンハイザージャパンhttp://www.sennheiser.co.jpSPEC ●型式:密閉・ダイナミック型 ●再生周波数帯域:10 ～ 20,000Hz ●インピーダンス:16Ω ●ケーブルの長さ:1.2m●質量:約18g（ケーブル含む） ●付属品:イヤーチップ（標準シリコン:S/M/L、ラメラ:S/M/L、Comply:S/M/L）、イヤーフック、クリーニングツール、キャリングケース左）ケーブルは耳掛けタイプで着脱式を採用。従来機に比べて、ハウジングのブラックの面積が増え、より精悍な印象になった。また、丸みを帯びたハウジングは耳への収まりがよい。右）イヤーチップは新たに採用されたComplyを含め、形状や素材が異なる3タイプを付属。布張りのキャリングケースも同梱される。低音の調整機能を搭載従来機同様、好みの音楽に合わせて低音の量感を制御する「音質調整機能」を搭載。ハウジングに設けられたダイヤルを、クリーニングツールに付いているトリマーでクルリと回すだけだ。豊富なイヤーチップと組み合わせ、音質を追い込んでいくのも楽しい。Detail厳選PremiumInner EarHeadphones 03PREMIUM HEADPHONE GUIDE 107