ブックタイトルプレミアムヘッドホンガイド Vol.19
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プレミアムヘッドホンガイド Vol.19
フォーカルは常にアーティストの想いを再生するスピーカーづくりを理想としており、ヘッドホンの開発においてもその思想に一切のブレはない。そのため「LITSEN WIRELESS」には、持ち運ぶことを強く意識した設計が施されている。開発コンセプトは大きく2つ。ひとつはドライバーの設計だ。振動板の素材はマイラー樹脂を採用し、中央のドーム部分だけにチタンコーティングを施すというハイブリッド振動板を搭載する。これはフォーカルが理想とする「軽量」、「高剛性」、「高減衰性」を実現するための手法で、ドライバーを自社開発できるフォーカルだからこそ採用できたもの。さらにドライバーと耳との距離や頭部伝達関数も考慮して、測定上ではなく聴感上フラットな特性になるように調整している。その調整方法もヘッドホン内部にクッション材を入れるなど、アコースティックにこだわるところが、スピーカーブランドらしい試みだ。もうひとつが装着性である。柔軟なヘッドバンドにくわえ、22mm厚のウレタンフォームとマイクロファイバーによるイヤーパッドの密着感は自然で心地よく、高い遮音性も確保している。 聴いて驚いたのはBluetoothイヤホン「SPARK WIRELESS」とのチューニングの一貫性。「フォーカルのポータブルオーディオサウンド」がすでに確立されていると実感した。多少の騒音には負けない発声発音の明確さである。その上で大型のヘッドホンらしく、ドラムスの抜けやベースの沈みなど、低音楽器の表現の余裕がSPARKよりも増している。その結果、リズム部隊の前に立つボーカルとのバランスも向上。SPARK WIRELESSの音にも驚いたが、LITSEN WIRELESSもまた高い完成度を持っている。スピーカー開発のノウハウを活かした明確なボーカル再生に驚いたFOCALのレファレンスサウンドを外でも体感できるサウンドチューニングDETAIL様々な用途を想定して開発されているのも本機の特長だ。持ち運びすることを想定して折りたたみ式を採用。またヘッドバンド部は強くひねっても壊れない堅牢さも持ち合わせているので、スタジオなどプロの現場にも対応できる。振動板はマイラー素材を採用するが、ドーム部だけをチタンコート。剛性を高めるためのチタンに加えて、柔軟性をもったマイラー素材を組み合わせることで、理想的な周波数特性になるように調整している。SPEC ●通信方式:Bluetooth標準規格Ver.4.1● 対応コーデック:aptX、SBC ●ドライバー:40mm径独自マイラー・チタンドーム・ダイナミック・ドライバー ●連続音楽再生時間:20時間 ●質量:200g ●付属品:3.5mmオーディオケーブル、キャリングケース、充電用USBケーブル¥OPEN 投 票No.091LITSENWIRELESSFOCAL※2017年12月下旬発売予定60 PREMIUM HEADPHONE GUIDE