ブックタイトルプレミアムヘッドホンガイド Vol.19

概要

プレミアムヘッドホンガイド Vol.19

前機種AK70からDAC構成をデュアルにした恩恵は大きく、S/N比の向上、ダイナミックレンジの拡大を実感できます。また駆動力を向上させたことでバッテリー容量も大きくなりましたが、サイズは定評のある前機種とほぼ同等。携帯性を維持しつつクオリティアップした点を高く評価します。楽器の音色やボーカル再生など、音の質感表現に長けたチューニングが好印象。元々アステル＆ケルンはモニター調の傾向ですが、シュアのSE535との組み合わせでは楽曲が持つ躍動感、音楽性を引き出してくれ、エントリー機では味わえないワンランク上のサウンドを再生できます。駆動力が高く色付けのない鮮烈な切れ味は、まさしく現代のフラグシップモデル「A&Ultima SP1000」が目指す方向。本機はスタンダードに位置付けられるモデルですが、アステル＆ケルンの世界観を巧みに表現しています。aptX HD対応を現実的な価格で実現している点も評価しています。イヤホン端子非搭載のスマートフォンも増え、それとの互換性を気にしなくてもよくなりつつあるタイミングで、2.5mm端子バランス駆動回路を大幅強化。ユーザーに「この機会にバランス駆動！」と思わせる提案性と実力はさすが。好評の操作性やデザインはAK70から素直に継承というのも英断です。ポータブル機に求められるデザインや重量、音質、操作性や機能性。そのいずれも価格とのバランスが取れており、全方位に渡ってこだわり抜いた総合力の高さが本機の魅力です。一昔前のプレーヤーよりスペックだけでなく音質面も格段に進化しており、買い換えのニーズも満たしてくれます。ポータブル・ハイレゾプレーヤーとして現在考えられる完璧な姿といえるかもしれません。ポータブル機の弱点だったアンプ出力を向上させ、イヤホンだけでなくインピーダンスの高いヘッドホンも正しく駆動できるマルチさも本機の魅力です。それでいて8万円を切る実売価格は驚きです。新旧フラグシップモデルの開発思想を色濃く反映　ポータブル・ハイレゾプレーヤーの開発にいち早く取り組んだブランド「アステル＆ケルン」。そのカジュアルラインに位置付けられるモデルが「AK70 MKII」だ。しかし内部設計は新旧フラグシップモデルのエッセンスを色濃く反映しており、もはやプレミアムクラスと呼べるレベルに仕上がっている。DAC構成は第2世代のフラグシップ「AK240」と同様。回路設計は第4 世代となる現在のフラグシップ「A & U l t i m aSP1000」の思想を継承し、バランス出力のアンプ出力を大幅に向上させた。もちろんアステル＆ケルンが先鞭をつけた2.5mmのバランス出力端子を搭載。シリーズに共通するネットワーク機能の「AKConnect」、USB DAC機能など据え置きプレーヤーとしても優秀な特長を併せ持っている。ルックスは定評のある前機種「AK70」のデザインを踏襲しつつ、精悍なブラックモデルに仕上げている。（編集部）デュアルDACの恩恵が大きいフラグシップの世界観を表現瞠目の進化に新世代を実感質感表現に長けるサウンドバランス出力の強化を評価現在考えられる完璧な姿VGPライフスタイル分科会の全審査員が高く評価VGPライフスタイル分科会座長鴻池賢三VGPライフスタイル分科会審査員折原一也VGPライフスタイル分科会審査員岩井 喬VGPライフスタイル分科会審査員高橋 敦VGPライフスタイル分科会審査員海上 忍VGPライフスタイル分科会審査員野村ケンジ新旧のフラグシップのエッセンスを色濃く反映するAK70 MKII。シーラス・ロジックのDACチップ「CS4398」をデュアルで搭載するなど、プレミアム級といえる充実の仕様を誇る。現在のフラグシップモデル「A & U l t i m aSP1000」で新たに開発された回路設計を本機も採用。デュアルDACの恩恵を最大限に発揮させ、前機種「AK70」と比較して、出力とS/N比を大幅に向上させた。▼PROFILE▼POINTDACCS4398バランス出力：2.3VrmsバランスS/N：116dB@1kHzバランス出力：4.0VrmsバランスS/N：119dB@1kHzアンプL+L+R+L?L?R?L+R+R+L?R?R?GNDGNDDACCS4398AK70MKⅡAK70UP!お問い合わせ：アイリバーサポートセンター ?0570-002-220 http://www.iriver.jp/ PREMIUM HEADPHONE GUIDE 95