ブックタイトルPREMIUM HEADPHONE GUIDE vol.12
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PREMIUM HEADPHONE GUIDE vol.12
チタンが魅せる新 アトミック フロイドは未踏の領域へ1 2気鋭の英国ブランド、アトミック フロイドが、ついに渾身の最新モデルを発表!その名は「SuperDarts Titanium +Remote」。航空宇宙グレードのチタンを採用した超弩級イヤホン、果たしてその実力は? 2007年にイギリスで誕生したアトミック フロイド。それから2年ほどして日本に上陸して以来、幾度となく彼らが作り出すイヤホンを手に取ってきた。ラインアップは多くないものの、どの製品も新鮮な驚きをもたらしてくれるブランドである。 今回紹介するのは「SuperDarts Titanium +Remote」。そのポイントのひとつが、名前が示すようにチタン、しかも航空宇宙グレードの採用だ。本機の開発陣がテーマとしたのは、Clarity(清澄さ・明瞭さ)の追求。そのために探し当てた素材なのである。ベースとしたのはロングセラーで同社の顔とも言える「SuperDarts + Remote」。9mmのダイナミック型を低域用に、バランスド・アーマチュア型を中高域用にという2つのドライバーを組み合わせたハイブリッドタイプである。そのハウジングのみならずプラグやリモコンにまでチタンを採用した、いわばプレミアムモデルなのである。コンパクト設計であるうえに、コンプライフォーム・イヤーチップも付属し、遮音性能も高い。 早速、試聴してみたい。使用するファイルは編集部からのリクエストでマイケル・ジャクソンの『スリラー』。DSD1bit/2.8MHzのファイルだ。実はこの楽曲、真剣に聴くのは初めてのこと。しかし、1982年の段階でこんなにも密度の高いサウンドが完成されていたのかと唖然とした。本機はそんな楽曲を広く、そして澄んだ音場で聴かせる。かといって散漫になることはない。ボーカルは力強さと繊細さが両立。息遣いもリアルだ。ホーンセクションには煌めきがある。続いてノラ・ジョーンズの『ドント・ノー・ホワイ』もDSD1bit/2.8MHzで試聴。やはりボーカルのリアリティが高い。ピアノやコーラス、ベースの強弱やニュアンスも十分に感じられた。ミュージシャンたちが丁寧に音を紡いでいる様子がわかるようだ。非常に立体的でもある。DSDファイルと相性がよいともいえる。今までに体験したことのない、私たちの感覚をアップデートしてくれるかのようなモデルだ。(中林直樹)新鮮な驚きをもたらす未体験サウンド60 PREMIUM HEADPHONE GUIDE