ブックタイトルPREMIUM HEADPHONE GUIDE WINTER [Vol. 13]
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PREMIUM HEADPHONE GUIDE WINTER [Vol. 13]
最高傑作 日本有数のスピーカーメーカーであり、ホームシアターからカーオーディオまで、多岐にわたるAV 機器を手がけているパイオニア。音楽好きでなくてもその名を知らぬ者はいないくらいメジャーなブランドではあるが、以前からポータブルオーディオにも力を入れており、ヘッドホンからポータブルヘッドホンアンプまで、音質を最優先した上質なモデルを数多くリリースしている。そんなパイオニアから来春、いままでにない超弩級のNEW ヘッドホンが登場する。ここでは仮に「MODEL X」と呼んでおこう。 パイオニアの音響技術の粋を集めたフラグシップにして超ハイエンドのヘッドホン「MODEL X」だが、試作品を手に取り、そのディテールを見ていくにつれ、細部まで徹底的にこだわり、丁寧につくりこまれていることが随所にうかがえた。たとえばハウジングまわりは、アルミ素材を中心に、高精度なアッセンブルをおこない、高い剛性を確保している。ヘッドバンドは側圧をコントロールするシステムを採用。幅広いユーザーが快適に活用できる工夫が為されている。 こういった精巧なヘッドホンを量産化できるのは、国内に組み立て工場と熟練のマイスターを抱えるパイオニアだからこそだ。「ドライバーのマウントひとつを取っても、海外工場では組み立てできない、複雑な構成になっています。社内でも“ちょっとこれは”といわれてしまうほど、パーツ精度や組み立て工程の精密さが求められるヘッドホンになってしまいましたが、これもひとえに、理想とするサウンドクオリティを実現するため。実際、我々にはこの精密さを実現するファクトリーやマイスターを東北の天童に有している、というアドバンテージがあり、それを今回の製品で、最大限に活かすことができました」。(瑤寺氏) 東北パイオニアの天童工場は、いまとなっては数少なくなってしまった、日本国内にあるオーディオ機器の生産拠点である。4つのスタジオ、2つの無響室ほか、数々の測定器やCAEを駆使することで、ハイクオリティなスピーカーやAV 機器を次々と生み出している。いわば、パイオニアの音づくりの心臓部。「MODEL X」は、1本100 万円を超えるハイエンドスピーカー「TAD」やカーオーディオの高級スピーカー「カロッツェリアRS スピーカー」なども手がける聖地、“3号棟”で、生産がおこなわれることになった。「作業工程数は100 を超え、部品点数も多く、組み立てにも精密さが必要となってしまっているため、海外拠点での生産は考えられませんでした。たとえば、ドライバーの振動板を取り上げてみると、こちらが普通のものよりかなり薄くなっていて、一般的な組み立て工場ではまず破損してしまいます。組み立てに、かなりの熟練技が必要となってしまうのです。そのため、単に国内生産だからOK というわけにもいかず、かなり特殊な技術を持っている職人が必要でした。そこで、ハイエンドトゥイーターユニットを普段から手がけている3号棟の熟練工日本が誇るマイスターの技の極みを堪能せよ!スピーカーの専門工場として1966年に山形県天童市に設立。以来、各種研究開発やカーオーディオやホームオーディオのハイエンドスピーカーの設計や生産をおこなっており、パイオニアの音響技術の心臓部ともいえる聖地だ。まもなく登場するフラグシップヘッドホンも、この天童工場で日本が誇るマイスターの手により生産される。左は設計を担当されている東北パイオニア株式会社スピーカー事業部 技術統括部第三技術部 設計二課の今川直樹氏。エンジニアとして、高級スピーカーEXシリーズ開発にも携わってきたという。右は技術統括部部長の瑤寺氏。フラグシップヘッドホンはここから生まれる! 東北パイオニア天童工場PREMIUM HEADPHONE GUIDE 15