ブックタイトルPREMIUM HEADPHONE GUIDE WINTER [Vol. 13]
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PREMIUM HEADPHONE GUIDE WINTER [Vol. 13]
ワイドな音場の秘密とは?「原音再生」を追求するマクセルの“m”シリーズに、新作「MXH-RF800」が加わった。デュアルチャンバー構造を採用する「MXH-RF500」の上位機にあたる本機は、さらなる「ワイドな音場感」をめざすべく、デュアルチャンバー構造を刷新。ここでは「ワイドな音場」をどのように実現したのか、同社エンジニアに話をうかがった。エンジニアが語るSPEC ●型式:ダイナミック型 ●ドライバ口径:10mm ●再生周波数帯域:20~ 22,000Hz●インピーダンス:16Ω ●ケーブルの長さ:約1.2m(Y型) ●質量:約17g(ケーブル含む) ●付属品:抗菌シリコンイヤーピース(S/M/L)、低反発ポリウレタンイヤーピース(S/M)M\OPENX投 票NHo.057 -RF800MAXELL――はじめに、“m”シリーズの最新モデル、「MXH-RF800」はどのようなコンセプトで取り組まれたのか、お聞かせください。落合 はい。約1年半前に発売した「MXHRF500」は、「MXH-RF800」と同様に「デュアルチャンバー」構造を採用していましたが、聴き疲れのしないナチュラルな音だとお客様からご好評をいただきました。その一方で、「高域の伸びがほしい」というご意見も寄せられました。こうしたご要望にできる限り応えようと企画されたのが、今回の「MXH-RF800」です。低域から高域まで広がりのある音場を実現することがコンセプトでした。――具体的にどのような技術で広がりある音場を実現したのですか。落合 最大のポイントは、「デュアルチャンバー」構造そのものを見直したことです。まず、めざす周波数特性を得るために、どのような構造が最適か、回路に置き換えてシミュレートを繰り返しました。その後、模型を作成し、デュアルチャンバーの形状、容積および音響抵抗の最適化を図りました。「RF500」は2つの部屋がドライバの後ろに並んでいる構造でしたが、「RF800」ではドライバ背面を囲むドーナツ状の空間と、その後ろに広めの空間を設け、1か所をダクトでつなぐ構造にしました。特にポイントだったのは、ドライバ背面のチャンバーの容積です。「RF500」ではデュアルチャンバーの容積を広くしたのに対し、「RF800」はいくぶん狭くし、振動板にかかる背圧を若干高めました。これによって、6kHz付近の耳に刺さる音を抑えつつも、高い周波数まで出せるようになりました。――「RF500」の特徴である「フラットな帯域特性」は、「MXH-RF800」でも引き継がれているのでしょうか。落合 はい。実際の聴こえ方がフラットになるようにチューニングしました。人間の聴覚は、同じ音圧を出していても、低い周波数の音は聴こえにくいという傾向があります。そうした傾向を考慮し、低域が中高域に近い音圧に聴こえるように調整しました。その結果、聴き疲れが少なく、かつ鮮やかな低音を実現しています。――ハウジングにもこだわりがあるとうかがいました。落合 ABS樹脂をアルミで挟み込んだ「ハイブリッドボディ」を“m”シリーズではじめて採用しました。ABSとアルミそれぞれの共振を抑えることで、歪みの少ないクリアで透明感のある音を実現しています。――マクセルが新境地に挑戦した「MXHRF800」。その広がりある音場を多くの方に体感してもらいたいですね。本日はありがとうございました。ドライバの背面に2つのチャンバーを設ける「デュアルチャンバー」構造を採用。チャンバーの容積を大きくすると、振動板の背圧が弱まり、低音域が増幅されるが、より伸びのある高域を実現するために、2つのチャンバーの容積や配置、形状などを最適化。耳孔共鳴が起こる6~ 8kHzのピークを抑え、刺さりのない繊細な高音を具現化した。(?)出力低音中音高音(Hz)POINT物理的に同じ音圧を出しても低域が小さく感じられる人間の聴覚傾向を考慮し、低域が中高域に近い音圧に聴こえるようにチューニング。通気孔のフィルターの密閉度を高めたほか、チャンバー間をつなぐダクトやポートにも選りすぐりの音響抵抗材を詰め、耳孔の共振特性を含め、全体特性を最適化している。低域特性を最適化し聴感上の特性をフラットにデュアルチャンバーの容積や配置、形状などを最適化デュアルチャンバーが生み出す“広い音場を体感してほしい” 落合 誠氏(日立マクセル株式会社 コンシューマ&ソリューション事業本部 事業企画部 開発課 技師)初期特性最終特性のイメージ問い合わせ:マクセルお客様ご相談センター ?03-5213-3525 http://www.maxell.co.jp/ 提供:日立マクセル株式会社PREMIUM HEADPHONE GUIDE 35