ブックタイトルPREMIUM HEADPHONE GUIDE WINTER [Vol. 13]

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概要

PREMIUM HEADPHONE GUIDE WINTER [Vol. 13]

 いまとなっては、ホームヘルスケアや調理家電などの印象が強いフィリップスだが、CDの規格策定に携わるなど、以前からオーディオ機器を手がけており、そのクオリティに定評があるブランドだ。特に近年は、音響技術の粋を注ぎ込んだ高級オーディオ「フィデリオ」が、その音質の素晴らしさから注目を集めている。 なぜ、フィリップスの「フィデリオ」がここまでの人気を集めているのか。それは、“ゴールデンイヤー”制度によるアドバンテージが大きいだろう。厳しいテストをパスした“ゴールデンイヤー”と呼ばれるエンジニアたち(なんと全世界で57人しかいない)が、発売前の製品の音質を様々な段階で徹底チェック。音質的に合格しないと発売されない、という独自の社内システムだ。これにより、音質的に厳然たるクオリティが確保され、同時にコストパフォーマンスも相当レベルの高い製品に仕上がるのだ。 何を隠そう、筆者も「フィデリオ」ユーザーだ。ヘッドホンでいうと「X1」「L1」「M1」を所有し、なかでも「X1」は、いまも日常的に活用している。そんな筆者だから、「X2」「L2」、「M1MKII」と生まれ変わった新「フィデリオ」は大いに気にかかるところ。そこで、この3製品を一気に試聴させてもらった。 まずは「X2」から。外観的にはオープンエアー型のままだが、50mm口径ドライバーをバージョンアップして音質を向上するなど、細部にわたって様々な改良が施されている。おかげで、そのサウンドは大きくグレードアップ。「X1」で好評だったフォーカス感の高さをさらに高め、抑揚表現も一段ときめ細やかになっている。おかげで、音のリアルさが向上。ボーカルは、まるで目の前で歌ってくれているかのような臨場感を感じられる。それにも増して嬉しいのが、鳴りやすくなったことだ。「X1」はとても上質なサウンドを聴かせてくれる分、多少なりヘッドホンアンプに気を遣う必要があったが、この「X2」ではポータプルプレーヤーでも実力の高さをしっかりと感じ取れる。これはありがたい。 つづいて、「L2」を試聴。こちらも音のきめ細やかさが増して、音がとてもリアルになった。そして驚きだったのが、最後に聴いた「M1MKII」だ。名前がMKIIなので、小さな変更にとどまっているのかと思いきや、ドライバー変更により音質的にはかなりグレードアップしていて、ヌケのよい素直なサウンドが楽しめるようになった。 もともと好評だった音質をさらに進化させた「フィデリオ」。どれを買っても大いに満足できる、優秀な製品だと太鼓判を押そう。フォーカス感が高く抑揚表現も豊か。演奏がリアルに感じられるPhilips"Fidelio"、ここに極まるL2Fidelioセミオープン型ヘッドホン\OPEN 投 票No.104SPEC ●ドライバー口径:40mm ●再生周波数特性:12~25,000Hz●インピーダンス:16Ω ●ケーブルの長さ:1.1m ●質量:260gM1MKIIFidelio密閉型ヘッドホン\OPEN 投 票No.105SPEC ●ドライバー口径:40mm ●再生周波数特性:6~28,000Hz ●インピーダンス:16Ω●ケーブルの長さ:1.1m ●質量:166gヘッドバンドにレザーステッチを効かせるなど、よりデザインを現代的に洗練させた新作。ケーブルのとりまわしもよくなった。X2と同様に専用設計のドライバーや多層構造のイヤーシェルを採用するなど、音質にも無論妥協はない。従来モデルから音質をさらに向上させた、コンパクトなオンイヤー型。よりクリアな音楽再生ができるように、ボイスコイルを見なおし、ドライバーを再設計。再生周波数特性が上も下も伸びている。お問い合わせ:フィリップスサポートセンター ?0120-336-634 http://www.japan.philips.co.jp/fidelio/PREMIUM HEADPHONE GUIDE 61