ブックタイトルPREMIUM HEADPHONE GUIDE WINTER [Vol. 13]

概要

PREMIUM HEADPHONE GUIDE WINTER [Vol. 13]

010203　アステル＆ケルンといえば、ハイレゾ普及の立役者のひとりだ。そのフラグシップ「AK240」は、既存のポータブルプレーヤーの概念を突き破るサウンドクオリティと機能性を持ち合わせている。　価格は20万円台後半という超ハイエンドモデルであるAK240。音質はもとより、ボディのデザインから機能性まで、すべてがハイスペックだ。たとえばボディは、ジュラルミンの削り出し筐体を採用。精悍な唯一無二のデザインは、確かな存在感と上質さを演出してくれる。いっぽう、音質の要となるDACには、高級ホームオーディオ製品で使われているシーラスロジック製「CS4398」をポータブルプレーヤーながらに搭載。しかも、贅沢にもLR個別に1つずつ用意するデュアル搭載で、さらなる音質向上を推し進めている。また、リニアPCMとDSDで別回路を用意。ポータブルプレーヤーとしては希少な、5.6MHzまでのDSDネイティブ再生をいちはやく実現した。Wi-Fiを搭載することで、家庭内LAN経由でPC内の楽曲を再生できたり、ワイヤレスNASと直接接続して再生できたりする。使い勝手としても大満足といえるレベルだ。また、本機はファームウェアのアップデートで機能が追加されることもあり、常に最新の状態を保てるのも嬉しい限りだ。進化し続けるプレーヤーであることもAK240ならではの魅力といえるだろう。さらに、メモリーは内蔵256GBに加えてmicroSDカードスロットを1基用意し、最大384GBという大容量を実現することもできるので、数年使い続けても、容量的に不満が出ることもない。　そして、ユーザビリティ、音質の両面で最大のトピックといえるのが、アステル&ケルン独自の2.5mmバランス出力を用意していることだ。対応した2.5mm4極プラグへのリケーブル等が必要となるが、ポータブルプレーヤーのみでバランス出力のハイクオリティサウンドが存分に楽しめるのは、ありがたい限りだ。　実際、そのサウンドは「素晴らしい」の一言。キレがよくパワー感の高いAK240のサウンドは、ハイレゾ音源ならではのダイナミックさをあまさず表現してくれる。階調表現がとても丁寧なので、DSD5.6MHz 音源などは、ネイティブ再生ならではのセンシティブな表現が堪能できる。そのレベルは、ホームオーディオの高級ネットワークプレーヤーやUSB DACに匹敵するほど。まさに、究極のポータブルプレーヤーといえるだろう。パワー感の高い極上のサウンド、機能性もずば抜けた再生機12工程にもおよぶボディ製造ユニークかつ片手でも握りやすいボディは、航空機でも使用されるジュラルミンの塊から、贅沢に約90%を削り出してつくられている。高い質感を保ちつつ、ノイズ対策に寄与する不要振動を抑えるために施された設計である。プレミアム機らしいオーディオ設計デジタルデータをアナログデータに変換する「DAC」は音質の要。本機は、L/Rそれぞれのチャンネルに高性能なシーラス・ロジック社製のDAC「CS4398」を1基ずつ搭載。据え置き機としても遜色のないサウンドを目指している。さらなる高音質を狙うバランス出力プロ機に多い「バランス接続」も採用。これはケーブルから混入するノイズを低減できる接続方法で、ケーブルや回路構成が複雑になるためポータブル機では珍しい。音質を重視するアステル＆ケルンのこだわりだ。お問い合わせ：アイリバーサポートセンター　?0570-002-220　http://www.iriver.jp/SPEC ●内蔵メモリー：64GB（microSDスロットは最大128GB対応） ●対応音声形式：FLAC、WAV、DFF、DSF、WMA、AAC、ALAC、AIFF、MP3 など ●最大対応サンプリング周波数・量子化ビット数：PCM→ 384kHz/32bit（ 192kHz/24bit以上は、192kHz/24bitにダウンコンバート）、DSD→5.6MHz（ リニアPCM変換） ●電池持続時間：最大11時間(再生フォーマットによって前後) ●ヘッドホン出力：2.0Vrms×2（ アンバランス） ● 接続端子：3.5mmヘッドホン出力×1（ アンバランス） ※同一端子でアナログライン出力／光デジタル出力と兼用、2.5mmヘッドホン出力×1（ バランス） ※同一端子でアナログライン出力と兼用、USB Micro-B×1、microSDスロット×1●外形寸法：約55W×111H×14.9Dmm ●質量：約170gポータブル・ハイレゾ・プレーヤーAK100II\OPEN 投 票No.158?AK240がフラグシップである理由　AK240のハイスペックを継承しつつ、価格は10万円台というコスパを高めたのが「AK100II」だ。アルミ筐体のスマートでシンプルなデザインを採用。上品かつ使い勝手もよい。搭載DACもシングルとなったものの、同じ「CS4398」を採用していることもあって、丁寧な階調表現で、リアルな演奏を楽しませてくれる点は同様。こちらも完成度の高い製品だ。コスパを高めた高性能モデル2.5㎜バランス出力PREMIUM HEADPHONE GUIDE 95