ブックタイトルPREMIUM HEADPHONE GUIDE vol. 14
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PREMIUM HEADPHONE GUIDE vol. 14
音質、装着性、デザインの3拍子が揃ったハイレゾ対応ヘッドホン「MDR-1A」。100kHzまでの広帯域再生が可能なアルミニウムコートLCP振動板を採用した40mm新開発ドライバーにより、ハイレゾ音源の持つ情報を余すことなく再現できる。さらにMDR-1Aは、スマホに直挿しで聴くことも想定した設計となっている。特別な再生環境がなくても、すぐにプレミアムなリスニング体験をもたらしてくれる、というわけだ。そこで実際に、このMDR-1Aと最新スマホを組み合わせ、どれだけ高音質に再生できるのか検証をおこなってみた。 まず、iPhone 6で一般的なCDクオリティの楽曲を再生してみた。ボーカルがすっきり分離し、ピアノや弦楽器も爽やかに描写。基本的に耳当たりよいマイルドなテイストで、重低音のリズムを正確に再現する「ビートレスポンスコントロール」の効果もあり、ベースやキックドラムなどの低域は伸びよく厚みのある表現だ。ハイレゾ音源でなくても、一般的なヘッドホンで聴くより、解像感の高い中高域の明瞭度や、量感豊かなビートが存分に味わえる。 続いてXperia Z4でハイレゾ音源を再生した。ボーカルのナチュラルさ、低域方向の引き締まった透明度の高いサウンドを味わえた。たとえばサカナクション『ミュージック』ではイントロからの印象的なベースの豊かな厚みと音が消えかかる余韻のグラデーションの細かさ、そして音の合間から漂う録音現場の空気感のリアルさも伝わってくる。R e d H o t C h i l i P e p p e r s 『A r o u n d T h eWorld』でもボーカルの荒く生々しい鮮明な描写と空気の押し出し感も見えるほどリアルなドラムサウンドの存在感を堪能できる。また秦基博『アイ』では、指で弾くギター弦の厚みと高域にかけての倍音の煌びやかな響きを素直に描写。乃木坂46『何度目の青空か?』は切ない旋律を紡ぐシンセの鮮明な浮き立ちとともに、個々のボーカルパートもキレよくクリアに描き出す分解能の高さにも驚いた。多様なジャンルに巧みにフィットするバランス感覚の高さは、スマホ再生とは思えぬクオリティである。 なお、ソニーはMDR-1Aをはじめ、様々な価格帯でハイレゾ対応イヤホン/ヘッドホンのラインアップを幅広く揃えているが、なかでも最上位となる密閉型ハイエンドヘッドホン、MDR-Z7はMDR-1A同様、100kHzまでの広帯域を70mm大口径ユニットで実現した世界的にも類を見ない豊かさと高解像度を両立したモデルとして、こちらもお薦めだ。多彩な音源に巧みにフィットする傑作スマートフォンに直挿しで、すぐに「いい音」が楽しめる!ハイレゾ音源にも対応する、ソニー渾身の新世代プレミアムヘッドホンMDR-1Aの真価を、オーディオ評論家の岩井喬氏が徹底検証する。楽曲の空気感まで再現! 振動板が俊敏に動く!振動板の秘密だから「MDR-1A」はスゴい!人間の耳の可聴帯域は、20?20,000Hzとされている。CDには、この周波数帯域の音だけが記録されている。しかしながら、弦楽器やピアノなどの楽器やボーカルは「倍音」を奏でており、実際にはより高い周波数帯域の音が出ている。つまり、生演奏を聴いているときには、この倍音まで感じとっているわけだ。ハイレゾ音源は、その空気感や臨場感まで伝えてくれる。MDR-1Aはそんなハイレゾ音源に対応したモデルで、高域の100kHzに対応しているのだ。ソニーMDR-1Aの再生周波数帯域は3?100,000Hz(100kHz)。ここまで高い周波数に対応する振動板はあまり例がない。音の波の間隔が小さい高帯域を再現できるということは、すなわち振動板が敏感であるということ。つまり細かい音まで再現できたり、急峻な音の立ち上がりに反応できるのだ。だから、音源がハイレゾかどうかに関わらず、演奏の細やかなニュアンスやダイナミックな音楽表現を再現してくれる。ハイレゾ音源の真価を堪能できるCDや圧縮音源でも「いい音」を徹底解剖文/岩井 喬(オーディオ評論家)PREMIUM HEADPHONE GUIDE 63