ブックタイトルPREMIUM HEADPHONE GUIDE vol. 14

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概要

PREMIUM HEADPHONE GUIDE vol. 14

“憧れ”を手に入れろ! お求めやすくなったAKサウンドでMP3プレーヤーで一斉を風靡した「IRIVER」。アステル&ケルンは、そのハイエンドブランドとして誕生した。ブランド名のアステルはギリシア語で星を意味し、ケルンはドイツ語で中心を意味する。「音楽の新たな中心となり、シーンを牽引する」というブランドの想いがすべての製品に込められ、今日多くのオーディオファンの信頼を獲得している。そして、ハイエンドモデル「AK240」の成功と成果を受けて「端正なモニターサウンドを備えた超ハイエンド」というジャンルを切り拓き、プロユースにも余裕で対応する超弩級最新機「AK380」にまで進化。そうしたアステル&ケルンの薫りを色濃く反映した、スタンダードモデルの登場である。 新登場の「AK Jr」はこれまでのシリーズで得たノウハウを結集。DACチップ「WM8740」の性能を素直に引き出すシンプルな設計でクオリティを確保しつつ、コストダウンとより使いやすいコンパクトサイズを追求した。AK240以降で得たノウハウを投入して音質向上をはかり、さらに筐体はAK240の複雑な多面体の印象を受け継ぎつつ超薄型化。6万円台の価格にして「最新のAK」としてのクオリティとデザインを備えるモデルが誕生した。 ネイティブで192kHz/24bitまでのPCM音源の再生に対応。変換再生では32bitやDSD 2.8MHzにも対応するので、当面十分なスペックを確保している。機能面ではBluetooth接続、PCと接続しての96kHz/24bitまでのUSB DAC機能といった+αも搭載する。 そして筐体の美しさである。そもそもの造形のつくりだけではなく細部が見事。各エッジは少しだけ落としてあり、特にイヤホン端子やUSB端子周辺のその加工は凝っていて実に綺麗だ。そこへのコスト投入は惜しんでいない。薄型化のため竜頭型ではなくダイヤル式を採用。ボリュームコントロールへのこだわりも健在だ。 試聴すると「さすがAK」とわかるサウンドだ。シリーズ共通のバランスのよさと高解像度という土台の上に、音楽的なアクセントをプラス。そのため、中高域のボーカルやシンバルやシンセは明るくて輪郭がしっかりし、EDMの溢れるような音数や、アコースティックの繊細なタッチや響きもはっきりと届けてくれる。ミュージシャンやエンジニアが緻密に構築した本来のサウンドデザインに迫れるのだ。そして緻密さだけではなく、低域側ではベースを少しプッシュしてグルーヴの迫力もアップ! 音楽そしてサウンドの要点を明快に伝えてくれるサウンドチューニングといえよう。ハイレゾプレイヤー最初の一台として間違いのない選択肢だ。普段使いできるAKらしいバランスのよい高解像度サウンド!ポータブル・ハイレゾプレーヤーの先駆者「Astell & Kern(アステル&ケルン)」。そのサウンドは多くの人を魅了し、その人気は不動のものになっている。今回、そんな“AK”のサウンドをお求めやすい価格で実現した「AK Jr」を紹介しよう。取材・文/高橋 敦 写真/井上良一スマホを卒業したいあなたへ88 PREMIUM HEADPHONE GUIDE