ブックタイトルプレミアムヘッドホンガイド Vol.15

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概要

プレミアムヘッドホンガイド Vol.15

COWONから届いた「PLENUE D」は、手のひらに乗るコンパクトなハイレゾプレーヤー。このシーンを牽引しているのは同社のような韓国メーカーである。それには世界に先駆けて通信網が発達し、インターネットの普及が進み、デジタルデータ化された音楽を楽しむというスタイルがいちはやく定着したという背景がある。 そんな中、1995年にパソコン用の音響ソフトウェアメーカーとして設立されたのがCOWONだ。社名は共に(CO)、勝つ(WIN→WON)に由来しているそうだ。97年には、本機にも継承されているソフトウェア「JetAudio」を発表。そして2002年にはハードウェア業界にも進出。デジタルオーディオプレーヤー「CW300」をリリースした。新たな音楽との使い方を提示したMP3プレーヤーの草分けとして一気に知られたブランドに成長。以来、ハイレゾ再生に対応した「PLENUE 1」や「PLENUE M」などを展開してきた。また、イヤホンも積極的に手がけている。読者の中には、初めて目にする方もいるかも知れないが、実はこの分野で着実に実績を積んでいるブランドである。 その流れの中から出現したのがPLENUE Dである。が、“出現した”、と表現するとこのカジュアルな佇まいとは似つかわしくないように思う。ポケットに入るコンパクトサイズで、シンプルなデザイン。ハイレゾ対応とはいえ、決して大げさにならないルックス、そして実売で3万円を切る価格帯という手の届きやすい設定は、ハイレゾへの第一歩として相応しい。 操作は2.8インチのタッチディスプレイで行う。視野角も広く、鮮やか、さらに動作もはやくストレスなく使える。また、MP3なら、最大100時間、ハイレゾなら最大51時間を連続再生可能。内蔵メモリーは32GBで、micro SDスロットも装備。FAT32フォーマットを行うことで、64GB以上のカードも使用できるという。 さて、そのサウンドは決して派手にならない、落ち着いたトーンが特長的だ。ロックではドラムスやベースの低域がこもらず、エレキギターやシンバルは耳に優しい。バンドサウンドの一体感や、耳の奥にぐいぐいと押し迫ってくるパワーを感じることができた。さらに、同ブランドの矜持でのひとつでもある「JetEffect 5」や、音場調整機能「BBE+」などを組み合わせることで、ボーカルの伸びやかさや楽器全体の奥行きなどを仔細に調整可能。接続するイヤホンの個性に合わせて、積極的に追い込んでみたい。こうしたエフェクト機能は、ともすると演出的になりがちだが、そこはJetEffectを長年追求したCOWONだけに心配は無用だ。ジャズのラージアンサンブルではドラムスやウッドベース、ピアノの中低域にしっかりとした厚みを感じさせた。iPhoneやAndroid端末からステップアップしたいなら、選択肢のひとつとしてまず挙げられるべきと思う。それは小さいというメリットだけではない。プレーヤーとしての基本性能の高さも有しているからだ。バンドサウンドの一体感、迫り来るパワーを感じる原音を忠実に再現するために、高品位なDACを採用。数値が大きければ大きいほど雑音の少なさを示すS/N比は123dB、歪みの少なさを示すTHD+Nも0.004%と上位モデルにも負けないスペックを持つ。再生時間はMP3を再生した場合で100時間。96kHz/24bitのFLACを再生しても51時間と長時間バッテリーを誇る。また側面にはmicroSDカードスロットを搭載し、FAT32フォーマットを行えば、64GB以上の使用も可能だ。音響調整機能「JetEffect 5」を使えば、周波数の調整はもちろん、音を鮮明にしたり、立体的にしたりもできる。例えば、電車の中など暗騒音が多い場所では、低音を強化するなど、環境に合わせて音を最適化できる。ハイレゾデビュー!理由 1 小さくて高音質理由 3 自分好みの音にできる理由 4 安心のバッテリー&SD対応PLENUE D で“脱スマホ”できる理由天面のエッジ部は高品質のアルミをCNC加工、ダイヤモンドカットが施された堅牢さと美しさを兼ね備える。また、オプションでレザーケースも用意されるなど、所有欲を刺激するプレミアムな逸品に仕上がっている。理由 2 プレミアムな佇まいPREMIUM HEADPHONE GUIDE 71