ブックタイトルプレミアムヘッドホンガイド Vol.16
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プレミアムヘッドホンガイド Vol.16
3AK70が進化したつのポイント Astell&Kern(アステル&ケルン)の活躍がめざましい。2012年の秋にAK100を発表して以来、ハイレゾ対応ポータブルプレーヤーを次々と繰り出している。その開発速度やバリエーションの豊富さ、そして世界中で獲得したユーザー数は、同業他社を大きく引き離す勢いで増えている。しかも、昨年夏頃より「AK380 」、「AK320」、「AK300」といった第3世代機が姿を現した。ハイエンドラインを構成する製品群である。その一方で、先日発表されたばかりの「AK70」は、品番が示す通りエントリークラスに位置づけられるものだ。アステル&ケルンというブランドが面白いのはそこである。つまり、単にハイエンド方向に駆け上がってゆくだけではなく、市場のニーズを伺いながら、常に入門者にも目を配って製品を送り出しているのだ。ハイレゾ、そしてそれを気軽に再生できるプレーヤーの存在を広く知らしめてゆくチャレンジを怠っていないのである。 そうした挑戦はAK70のプロフィールを見ればわかるだろう。心臓部のDAC ICはシーラスロジックの「CS4398」とするが、これはこれまでのフラグシップモデル「AK240」で用いられていたものと同様。ヘッドホン出力端子は3.5mmのステレオミニ(アンバランス)に加え、2.5mmのバランス駆動対応端子も備えている。それだけではなく、microUSB-B端子から、デジタル音声の出力AK入門機と侮るなかれ! この音質&多機能は熟練者にもお薦めだも可能とし、様々なポータブルヘッドホンアンプとの組み合わせが楽しめる。ユーザーインターフェイスは前述の第3世代に組み込まれた最新バージョンとするなど、これまで憧れだったハイエンドモデルのパーツや熟練のファンにとっても魅力的な機能を、エントリークラスで搭載したのだ。 では、そんな戦略的ともいえる本機の音はいかなるものか。まずシュアのイヤホン「SE846」とアンバランス接続して原田知世の『恋愛小説2~若葉のころ』(88.2kHz/24bit)を聴く。まず感じたのはボーカルの透明度が非常に高いこと。リアリティが高いといってもよいだろう。また、ベースなどの低音が引き締まり、各パートが程よく分離している。坂本龍一のサウンドトラック『レヴェナント』(44. 1kHz/24bit)では弦楽器の中高域を繊細に表現した。低域は程よいうねりが生じ、中高域とコントラストを成している。 ボディはポケットに収まるほどにコンパクトで軽量。ディスプレイ右側に設けられたややラウンドしたカットが、直線的なデザインの中にあって唯一、柔らかさを醸し出している。また「ミスティミント」と名付けられたカラーは非常に新鮮に目に映った。ハイレゾリスニングをカジュアルに楽しんでほしい、そんな想いが、このきらりと光るボディにも込められているような気がした。ニュースタンダード本機に装備されたmicroUSB-B端子から、デジタルのまま音声信号を取り出すことができる。3 8 4 k H z及びDSD5.6MHzまでのネイティブ出力に対応。これを用いて小型D A CのCHORD「Mojo」と接続(ケーブルはアユートがm i c r o U S B - B t omicroUSB-Bタイプを発売)。原田知世のボーカルはさらに伸びやかに、坂本龍一のストリングスは低域の力感と中高域のキレがアップした。(中林)これまでハイエンドモデルにしか搭載されていなかった「2.5mm4極のバランス出力端子」を搭載する。アンバランス接続時との傾向の違いに正直驚いた。原田知世のボーカルは低域方向にも伸び、バンドサウンドの密度も格段に向上したからだ。音楽自体にコクがではじめたのである。坂本龍一のストリングスに深みと厚みが増し、巨大な音の壁となって押し寄せてくるかのようだった。(中林)プロフェッショナルモデル「AK380」と、筐体デザインやDACチップなどの基本設計を共通化しつつも、低価格を実現したプレーヤーが「AK300」だ。最新の32bitDAC「AK4490」による低歪を実現したサウンドが体感したいなら第3世代モデルを手に入れよう。ハイエンド機と同機能プロフェッショナル仕様を手軽に入手するなら…USBオーディオ出力ができるバランス出力に対応SPEC ●メモリー容量:64GB(microSDカード×1、最大128GB対応) ●最大サンプリング周波数/量子化ビット数:PCM→384kHz/32bit(352.8kHzは176.4kHz、384kHzは192kHzへダウンコンバート、32bitは24bitへダウンコンバート)、DSD→5.6MHz/1bit(PCM176.4kHz/24bitに変換) ●接続端子:3.5mmステレオミニ出力(アンバランス/光デジタル兼用)×1、2.5mm4極バランス出力×1、microUSB-B×1、microSDカードスロット×1 ほか●外形寸法:約75.15W×112.4H×15.45Dmm●質量:約205gAK300DAC ICは上位機種「AK100II」などと同じシーラスロジックの「CS4398」を1基採用。入門機という位置づけながらも、高品位なDACとして定評のあるパーツを奢っている。また、DLNAに準拠し、本機をプレーヤーやサーバーとしてシステム構築できる「AK Connect」も搭載するなど、パーツ、機能面はエントリーの枠を超えている。(中林)\OPEN 投 票No.134LineupPREMIUM HEADPHONE GUIDE 81