ブックタイトルプレミアムヘッドホンガイド Vol.16
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プレミアムヘッドホンガイド Vol.16
物語のある上質なイヤホンアンドロメダ=「アンドロメダ銀河」の意【BAドライバー×5】孤高のサウンドをより親しみやすい音にケーブルブランド「ALO audio」の創業者が新たに生み出したブランド「Campfire Audio」。星々に着想を得たイヤホンは、いずれも使うほどに味わいが増し、使う人にいつまでも寄り添ってくれる。ここでは最新モデル「ANDROMEDA」が秘める奥深き世界へとご案内しよう。文/高橋 敦SPEC ●型式:バランスド・アーマチュア型 ●ドライバー数:5基 ●再生周波数帯域:10~28,000Hz ●インピーダンス:12.8Ω ●感度:115dB ●ケーブルの長さ: 約1.2m ●付属品:イヤーチップ(シリコン: S/M/L、低反発: S/M/L、Comply Tx400 : S/M/L)、ALO audio製Litz Wire Earphone Cable、キャリングケース、クリーニングツールCampfire Audioの魅力Campfire AudioAMDROMEDA\OPEN 投 票No.153 「Campfi r e」。聞き慣れた言葉なのにオーディオの分野で耳にすると新鮮な響きだ。彼らがその拠点、豊かな自然を誇るポートランドにてキャンプファイアーの炎の揺らぎや薪の弾ける音などに身を委ねたときに感じている、瞑想のような感覚を、音楽を通して届けたいという願いからの命名だという。 ポートランドの夜空に輝く星々の名を冠するシリーズの新作は「ANDROMEDA」。基本設計は「JUPITER」に準じている。「JUPITER」は低域と高域にBAを各2基計4基のドライバー構成を採用しているのに対し、「ANDROMEDA」は中域にBAを1基追加した構成となった。 このブランドの造形や仕上げは実に見事。直線中心の多面体フォルムは、メカニカルでありクラシカルでもある。ネジを隠さずに見せる、面ごとにヘアラインの方向を変えるなど、細かなデザインも光る。ハウジングはアルミブロックからCNCで削り出し。間近に目にし、そして手にすると、その精密感はさらに強く伝わってくる。組み上げは彼らの工房にての手作業。人が手にして使うものには人がその手で仕上げることで手になじむ感触が与えられるのだ。 彼らのイヤホンからは、長く愛用してもらいたいという想いが届いてくる。例えば本機はリケーブル用MMCX端子に、頑強だが加工が難しいとされるベリリウム銅を採用。どんなにすばらしいイヤホンも壊れてしまっては愛用し続けられない。逆にいえば、長く愛用してもらえるだけの価値に自負があるのであれば、壊れやすい部分にこそ手間やコストを投じる意味がある。長く愛用してほしいという想いはキャリングケースにも表れている。内部にボア素材を採用しており、イヤホンを保護するとともに味わい深さも追求している。 サウンド的には、「JUPITER」の基本設計が秘めていた別の可能性を示したという印象。爽快感や広がりを具現化した「JUPITER」は、従来のイヤホンの流れを受けない孤高の音を示したモデルといえる。「ANDROMEDA」は「JUPITER」よりはなじみやすく、ミドルレンジの音楽的な厚み、落ち着いたバランスやまとまりにも重きを置いており、より多くのイヤホンファンに受け入れられやすそうなチューニングだ。しかし音の出際が詰まる感触のないところなど、「JUPITER」の核心だった要素は踏襲。普通の皮を被った、普通ではないサウンドだ。こういうサウンドもやろうと思えば実現できる。彼らの技術力の幅広さを改めて確認させられる新星。まさに新たな「星」が届けられた。98 PREMIUM HEADPHONE GUIDE