ブックタイトルプレミアムヘッドホンガイド Vol.17

概要

プレミアムヘッドホンガイド Vol.17

―漫画『攻殻機動隊』などでも知られる世界的な漫画家、士郎正宗さんとのコラボは、どういった経緯で実現したのでしょうか？福良　およそ15年前にマウスのデザインをご担当いただいたのですが、それが日本だけでなく海外からも好評で、エレコム30周年記念で、もういちど今度はイヤホンでお願いしようと。約1年前の夏くらいにオファーをしまして、ご快諾をいただきました。―上位モデルとなる「EHP-SH1000SV」は「スチームパンク」系というか、かなり個性的なデザインに仕上がりましたね。福良　最初は甲冑っぽい雰囲気もあったのですが、最終的には重厚感のあるメカニックなデザインに落ち着きました。かなり重さもありますが、重量バランスがよく考慮されていて、実際に装着すると意外なほどフィットします。―音質については？福良　士郎さんは「音についてはおまかせ」だったんですが、やはりこのコラボは、アニソン好きのみなさんに満足してもらえるサウンドが必要じゃないかと。そこで企画当初から“アニソンに最適な音”とはどうあるべきか、徹底的に議論を重ねました。遠藤　たどりついた答えは「キレのある音」でした。ひとことにアニソンといっても、オーケストラが入ったクラシック調のものからポップス、ロック／EDMまで幅広く、コレというものを見つけるのは困難でした。ディズニーアニメの優雅でなめらかな劇伴とは違う、ジャパニメーションの特徴にあうクイックな動き、中高域のキレと抜け感、低域のパワー、クリアなボーカル、こういったキーワードをもとに音づくりをまとめていきました。―「EHP-SH1000SV」は対向配置のドライバーなど、技術的にもかなり尖っています。遠藤　はい、エネルギーより分解能を求めて、同相駆動としています。口径の異なるドライバーを組み合わせたことも、他社にあまりない特徴です。まったく同じ口径だと、音が混濁してパワーが前に出てくる印象だったので、よりスピーディーで解像感のあるサウンドとするため、この形式をとりました。―振動板の素材も工夫されていますね。遠藤　 高域再生を担当する11.6mmドライバーはMLF（マルチレイヤーフィルム）を採用しています。これも解像感を求めた選択です。―「EHP- SL100」はどうでしょう？福良　アニソン向けというコンセプトはそのまま、デザインも士郎さんによるものです。世界のアニメファンに届けたいという想いから、こちらはリーズナブルなお値段で、パッケージに海外のイラストレーターを採用するなど、工夫を凝らしました。遠藤　音質面でも、同じく「キレ」と「ボーカル」がテーマで、チタンコートされた振動板で解像感を追求しています。―エレコムの今後の展開は？福良　このアニソンイヤホンが受け入れていただければ、ぜひシリーズ化していきたいと思っています。あとは、あまり空気は読まずに、よいものをどんどん提案していきたいです（笑）。即効性はあるけど、愛がない商品ではなくて、「今までにないヘッドホン」がつくりたい。そもそもエレコムがシェアを伸ばせたキッカケは、女性向けイヤホンや、お求めやすいハイレゾイヤホンなど、もともと市場がなかったところに投入したアイテムでした。来年もユニークなモデルが控えていますし、新たなチャレンジを続けていきます。―本日はありがとうございました！伝説のベストセラー「Colors（カラーズ）」の復活に続く、エレコム30周年記念モデルの第2弾。その正体は、世界的な漫画家、士郎正宗氏とのコラボによる、究極のアニソンイヤホンだった！ディープなアニメファンとしても知られるオーディオ評論家、岩井喬氏がその真価に迫る。インタビュー・試聴レビュー／岩井 喬　構成／編集部アニソンを極める！エレコムの挑戦ALL FOR ANIMATION MUSICプロダクトデザインは士郎正宗！世界のアニメファンに捧ぐイヤホン士郎正宗氏によるデザインで大ヒットしたマウス「M-MAPP1SM」。14年ほど前にリリースされたアイテムだが、これも福良氏が商品開発を担当したというから驚き。まさに伝説のコラボ再び！プレミアムモデル「EHP-SH1000SV」は士郎正宗氏のサイン入りの豪華パッケージ。持ち運びに便利な専用ケースも同梱されている。エレコム株式会社商品開発部オーディオチーム次長福良 卓二氏エレコム株式会社商品開発部スーパーバイザー遠藤 稔也氏50 PREMIUM HEADPHONE GUIDE