ブックタイトルプレミアムヘッドホンガイド Vol.17

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概要

プレミアムヘッドホンガイド Vol.17

 これは面白い展開だ。モバイルキャリアのソフトバンクが擁する「ソフトバンクセレクション」が、新たなオーディオブランド「GLIDiC(グライディック)」を立ち上げたのだ。ソフトバンクセレクションは、数年前から独自開発したスマートフォン用アクセサリーをラインアップしており、その中で生み出されたイヤホン「SE-5000HR」は、ハイレゾ対応ながらも1万円を切る圧倒的なコストパフォーマンスで多くのファンを獲得し続けている。その技術力にスマートフォンへの深い理解を融合させた製品作りを目指すのが、新ブランドの狙いである。「Sound Air WS-5000」と「Sound Air WS-3000」は、そのGLIDiCが満を持して放つBluetoothイヤホンだ。ストレスフリーなワイヤレス接続、シンプルで直感的な操作性に加え、音楽だけでなく動画視聴や通話まで考慮した音作りにより、ボーカルが際立つサウンドを追求するなど、モバイルのプロならではのこだわりが随所に施されている。 上位モデルとなるWS-5000は、上品な光沢を放つアルミ合金ボディに、ネオジウムマグネットとレスポンスに長けたCCAWボイス“モバイルのプロ”による新ブランドコイルを採用したダイナミックドライバーを搭載。さらにバッテリーを左右のボディに振り分けることで、質量や内部容積が均等になるよう工夫もなされている。しかも最大約8時間の音楽再生や連続通話が可能で、バッテリー切れにストレスを感じることなく使用できるのも嬉しい。試聴すると、まずパワフルな低域が耳に飛び込んでくる。J-POPではそれが顕著で、ドラムやシンセベースが勢いよく響き、ワイヤレスでありがちな音の欠落感はまったくない。ジャズを聴くとサックスやピアノの音の密度が高く、ボーカル含めそれらの響きが適度に調和し、しっとりとした空間が立ち上がってきた。 一方、WS-3000はコンパクトなレシーバー部に、VGPアワードでの受賞歴もある「music piece SE-1000」をベースにしたイヤホンを組み合わせたモデル。試聴はロックで行ったが、ボーカルに厚みがありバンドサウンドも骨太。スピード感も十分で、音楽をよりドラマチックに味わうことができた。 普段、音楽と接するのはどんなシーンが多いだろうか。そして、どんなプレーヤーを使用しているだろうか。そう考えた時、モバイルのプロだからこそ切り拓ける新たな道がある。GLIDiCは、これからのオーディオシーンを「滑空」しながら、その新たな道を私たちに提案し続けてくれることだろう。62 PREMIUM HEADPHONE GUIDE