ブックタイトルプレミアムヘッドホンガイド Vol.17

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概要

プレミアムヘッドホンガイド Vol.17

プロDJ も納得するものづくりを追求とは?ミュージシャンでもあり、DJでもあるヴァル・コルトン氏が2004年に設立したブランド。音楽とファッション、スタイルが密接に結びついたクラブ・カルチャーと同様のエクスペリエンスを、ヘッドホンで味わってほしいという思いから「V-MODA」を設立。DJやエンジニアらの意見を採り入れ、プロのDJも納得する、サウンド、デザイン、耐久性、装着性を備えた製品をリリースし続けている。 西洋の甲冑を想起させるフォルム。それだけでも、他社とは明らかに一線を画す雰囲気を放っている。V-MODAは2004年にDJでミュージシャンでもあるヴァル・コルトンが立ち上げたブランドだ。前述した外観は彼のキャリアを物語るものだ。すなわち、DJブースにおいて、モニターヘッドホンは、多少ラフに扱っても、びくともしない堅牢さが求められるからだ。しかも、多くのオーディエンスから注目を浴びるゆえ、そのルックスもないがしろにしたくない。 このような発想は、ともするとDJたちだけのものと思われがちだ。しかし、実際に触れてみて、そのイメージを大きく覆されることになった。まず特徴的なのは、「M-100」に搭載されたドライバーユニットだ。φ50mmの振動板を中高域用と低域用に分割して駆動させる「デュアル・ダイヤフラム・ドライバー」を採用。これにより伸びやかで、かつ深みもある広帯域再生を狙う。また、独自の「V-PORT V3AirflowSystem」を採用。ボディ内部の空気圧をハウジングに設けたポートで効率よく調整。サウンドの抜けのよさを確保しながら、同時に音漏れも最小限に抑えるという、オリジナリティ溢れる構造だ。 装着してみると側圧も程よく、遮音性が高い。ポップスやEDMを再生すると、勢いのよいサウンドが耳の奥まで届く。小気味よく、ギターやドラムなどの演奏のエッジがきりりと立っている。そして意外だったのはクラシックを聴いた時だ。弦楽器の弱音まで拾いつつ、音楽全体をゆったりと表現し、しかも低域の厚みやうねりも感じることができた。こうした音調だからこそ、DJユースに留めておくべきではないだろう。ちなみに、モデル名の「M」は「モダン・オーディオファイル」を指しているのだとか。現代のあらゆる音楽好きにフィットする音づくり、ということだろう。今回の試聴でその意図がはっきりと認識できた次第だ。キレのよさとうねりを備えた音BRAND HISTORYプロDJがクラブシーンの声を反映してつくりあげたヘッドホン「CROSSFADE M-100」。そのサウンドは従来のDJヘッドホンとは一線を画す、クリアで小気味よいもの。つくり手のこだわりが詰まった逸品。ぜひオーディオファンも手にとってほしい。文/中林直樹音もデザインも妥協なし!クールなモニターヘッドホン96 PREMIUM HEADPHONE GUIDE