プレミアムコンパクトオーディオガイド vol.4

プレミアムコンパクトオーディオガイド vol.4 page 39/52

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39本格オーディオのエッセンスを感じさせる ここに「AM50」、「BS52.2」という2組の小型スピーカーがある。サイズは同じ、使用しているスピーカーユニットの構成や直径も共通している。しかし、決定的な違いがひと....

39本格オーディオのエッセンスを感じさせる ここに「AM50」、「BS52.2」という2組の小型スピーカーがある。サイズは同じ、使用しているスピーカーユニットの構成や直径も共通している。しかし、決定的な違いがひとつある。それはAM50にはアンプが内蔵されていることだ。しかも、そこにはUSBポートも装備。パソコンとUSBケーブルでつなげば、パソコン内の音楽ファイルを即座に鳴らすことができるのである。言い方を変えれば、パソコンとAM50さえあれば、実にコンパクトなオーディオシステムを作ることができるのだ。デスクトップにも置ける。 そんなわけで、実際に試してみた。まず、再生したのはポール・マッカートニーの『キス・オン・ザ・ボトム』。印象に残ったのはポールの歌声を中心として、ピアノやギターなどが、同心円上に広がるところ。しかも、それが不自然ではない。続いて、エスペランサの『ラジオ・ミュージック・ソサイエティ』。これは彼女の弾くベースがいかに聴こえるかが評価のポイントだ。並のスピーカーだと、それが暑苦しくなったり、輪郭がぼやけたりする場合がある。しかし、AM50は内蔵アンプがしっかり駆動しているためであろう、低域が的確に制御されている。低音という暴れ馬を上手に手なずけているような印象だ。 一方でBS52.2はアンプを内蔵しない、我々になじみ深い形式だ。では、同じ楽曲を聴いて、2つのスピーカーの個性の違いを述べてみたい。音楽ファイルはパソコンからUSBを経由してUSB DAC内蔵プリメインアンプ、ティアックの「A-H01」に送る。それをBS52.2で再生する。まず、ポール。すると伸びのある歌声が耳に届いた。中高域がすっきりとしてフレッシュ。AM50で聴いたときよりも、ポールが少し若返ったかのようだ。エスペランサの声も透明感があり、コーラスとの掛け合いもみずみずしい。ただ、もう少し低域を出してみよう。 そこで、スピーカーはそのままに、アンプを変えてみることにした。イタリアからやってきたCarot Oneのプリメインアンプ「ERNESTOLO」だ。真空管を搭載したプリアンプ部と、デジタルパワーアンプ部を小さな筐体ながら完全に独立させて構成。これはハイエンドオーディオでも用いられる発想である。ERNESTOLOはアナログ入力のみなので、パソコンのイヤホン端子とステレオケーブルでつないだ。早速ポールを再生してみると、その歌声にまろやかさや温かみが加わっているのがわかった。アコースティックギターの弦が震えて音を発する瞬間も見えるようだ。エスペランサでは低域に奥行きが出た。ドラムスやベースの音色が前後に広がり、そのおかげで立体感が生まれている。アンプを変えただけで、こんなふうに音の印象は変わるのだ。さまざまなアンプの組み合わせを楽めるのはAM50にはない、BS52.2ならではの使いこなしだ。 AM50は、アンプ内蔵、しかもUSB DAC付きという、必要最小限の機材で鳴らせる、いわば「完結型」だ。対してBS52.2は、アンプをさまざまに組み合わせることで異なるサウンドを追求できる「拡張対応型」である。いずれもコストパフォーマンスが高く、とくにAM50はスピーカー、アンプ、USB DACがセットになったと考えれば尚更のこと。本格オーディオのエッセンスを低価格で味わってみたいなら、この2組を"ほしいものリスト"の上位に挙げておこう。BS52.2は、さまざまなアンプとの組み合わせを楽しむことが可能だ。真空管アンプで音楽をもっと楽しもう!今回の取材ではイタリア生まれの気鋭のブランド、Carot Oneの真空管プリメインアンプERNESTOLOを使ってみた。ERNESTOLOは非常に小さなプリメインアンプだが、真空管を用いたプリアンプ部(ヘッドホンアンプ部)とデジタルアンプを用いたパワーアンプ部を完全に独立させた本格的な仕様だ。ERNESTOLO\OPEN(実売想定価格\39,800程度)INTERIOR LIST ●デスク:Shin A \26,100 ●コーナーボード:Shin A \72,300 ●イス:アーロンチェア \161,700(メーカー希望小売価格) すべてIDC大塚家具投票No.063