ブックタイトルPREMIUM COMPACT AUDIO GUIDE vol.8

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概要

PREMIUM COMPACT AUDIO GUIDE vol.8

正攻法の設計が再生音の余裕を生んだ WREN「V5BT」 は、リアルウッドMDFをキャビネットに採用したBluetoothスピーカーである。他のワイヤレススピーカーに比べボリューム感豊かなフォルムだが、決して大き過ぎず、高い質感とあいまって絶妙の存在感。スマホやタブレット内の音源を最も確実手軽に”いい音”で鳴らすことに特化したオーディオである。内蔵ドライバーは19mmトゥイーターと80mmウーファーと口径の大きい本格的なものが奢られている。両ユニット共に外販品を使わず同社が新規に起こしたもので、HiFiオーディオでも採用される技術が盛り込まれている。 肝心の音を聴いてみよう。無理して音を出している印象がなく良好なバランスだ。コンパクトネスを競うジャンルだが、筐体を小型化するほど帯域の確保、特に低音再生に関して電気的な手段で補わねばならない。V5BTもDSPこそ搭載するが、スピーカーシステムの基本であるドライバーの再生レンジを第一とする正攻法の設計が、音の余裕を生んでいる。ステレオ定位がよく音場感も豊か。平行四辺形のフォルムは、著名インダストリアルデザイナー、ダン・アッシュクラフト氏の造型だが、氏の代表作のスピーカー「DD66000」を連想させるフォルムがデザインだけではなく、強力なドライバーを搭載した分の内部定在波を発生させず、朗々と自然に鳴らすことにも役立っている。クラシックを音場感豊かに再生する、そして耳の肥えた大人のためのワイヤレススピーカーである。お問い合わせ:完実電気サポートセンター ?050-3388-6838 http://kanjitsu.com/wren評論家も納得!「V5BT」の音質に迫るオーディオ界の重鎮マイク・ギフィン氏とスピーカーの名機をデザインしたダン・アッシュクラフト氏。両氏がタッグを組んで誕生させた新しいオーディオブランドが「WREN」である。日本デビュー作「V5BT」を試聴する機会に恵まれたので、早速印象記をお届けしよう。取材・文/大橋伸太郎V5BT¥OPEN 投票No.044SPEC ●ワイヤレス通信方式:Bluetooth標準規格Ver.2.0以降 ●型式:バスレフ型●ユニット:19mmソフトドーム・トゥイーター×2、80mmウーファー×2 ●最大出力:25W×2 ●外形寸法:419W×152H×107Dmm ●質量:2.9kgオーディオ評論家 大橋伸太郎氏がチェックキャビネットのカラーは2色透明感と光沢を感じさせる独奏のピアノとオケのバランスが良好である。バスレフポートからスピーカーの背後へ音が放射され、ふくよかな音場感が特長だが、低音がブーミーにならない。ピアノの倍音が豊かで透明感とブリリアントな光沢を感じさせ、水平方向への音場の広がりもある。デザインが見かけ倒しでない証左である。低域も量感豊かに再生する楽器の音色の描きわけが確かだ。シンバルの硬質な響きの広がり、芯があってムラやにじみのないベース、ボーカルがしっかり前に飛んでくるのも、米国のオーディオ機器らしく小気味よい。本機に搭載されるデジタルアンプは最大出力25W+25Wと強力なので、低音の量感も豊かに表現される。エレーヌ・グリモー『リフレクション/シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 op.54』イーグルス『Hotel California』ジャズ&クラシックロック&ポップスバンブーローズウッド29