プレミアムヘッドホンガイド2013SUMMER page 13/116

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ゼンハイザー音楽の旅を楽しむ“相棒”才色兼備なプレミアムモデルBRAND HISTORY >>> ゼンハイザーとは？1945年、ドイツ生まれ。マイクの分野で名を馳せた後、1968年に世界ではじめてオープン型ヘッドホンの開発に成....

ゼンハイザー音楽の旅を楽しむ“相棒”才色兼備なプレミアムモデルBRAND HISTORY >>> ゼンハイザーとは？1945年、ドイツ生まれ。マイクの分野で名を馳せた後、1968年に世界ではじめてオープン型ヘッドホンの開発に成功。それ以来、音、デザイン、装着感ーーすべてを兼ね備えた完成度の高いヘッドホンシリーズを続々と世に送りつづけている。常に時代をリードするトップブランドだ。MOMENTUM　ホームリスニング用ヘッドホンは、ステレオセットの付属品やオプションとして登場したといわれている。スピーカーで聴けないときに使用する、いわば応急処置のアイテムだった。しかし、時を経てその役目は大きく変わった。個性を競い合う製品たち。ただ、サウンド面でも、デザイン面においても、キャラクターを強調しすぎたものが増えているように思うのは僕だけではないだろう。そんな状況を思えば思うほど、さりげなく上質で、これさえあればと思わせる、飽きのこないヘッドホンがほしくなる。そんな時に目の前に現れたのがゼンハイザー「MOMENTUM（モメンタム）」だ。まず、そのルックスに惹かれる。イヤーカップやヘッドバンドは、ダークブラウンでまとめられており、その質感もマットで上品にまとまっている。イヤーカップとヘッドバンドをつなぐヒンジ部は高精度のステンレス製。軽量化を図るとともに、シャープな印象をもたらしている。イヤーパッドは柔らかなレザーで、硬さと柔らかさが絶妙にバランスし、非常に心地よい。今年登場した「MOMENTUM BLACK」はケーブルやイヤーカップ内部にレッドを用いており、黒と赤のコントラストも美しい。　突如としてカムバックしたデヴィッド・ボウイの『ザ・ネクスト・デイ』を聴いてみる。驚かされたのは、音場の大きさだ。バスドラムやエレキギター、そしてボウイの声が前後左右に広がってゆく。しかも、それらが淡くならず、音の芯や輪郭をしっかりと保っているのだ。立ち上がりもすばやい。これはマグネットに磁束密度の高いネオジウムを採用していることに起因するのだろう。　次に聴きたいのは偶然にも、本機と同じ名前を持つアルバムだ。イギリスのジャズ／ポップミュージシャン、ジェイミー・カラムの新譜である。ここでも低域の力強さを体験できた。音数の多いカラフルなアレンジでもボーカルが混濁しない。スタンダードをダビーにアレンジした「ラヴ・フォー・セイル」では、余韻の描き方が雑にならないのがよい。ボーカルもニュアンス豊かに表現している。頭にかけた、その瞬間に洗練されたオーディオルームが出現するかのような雰囲気だ。ヘッドホンはスピーカーの代用品ではない。その真の意味を気づかせてくれるモデルである。色褪せない魅力を備えた名機文／中林直樹\OPEN 投票No.001SPEC ●型式：密閉・ダイナミック型 ●再生周波数特性：16～22,000Hz ●インピーダンス：18Ω ●ケーブルの長さ：1.4m（片だし） ●質量：180g（ケーブル除く） ●付属品：キャリングケース、リモコンマイク付きケーブル、標準変換プラグラムスキンレザーとステンレスを贅沢に配した、芸術的なプレミアムヘッドホン。ポータブルに最適な仕様で、おしゃれなキャリングケースも付属する。密閉型でネオジウムマグネットを搭載。ゼンハイザーらしい自然で広がりのある音場と躍動感のあるサウンドを高次元で両立させる。ケーブルは着脱式でリモコンマイク付き。カラーはブラウンとブラックの２色。ドイツが生んだクラフツマンシップの結晶PREMIUM HEADPHONE GUIDE 13