プレミアムヘッドホンガイド2013SUMMER

プレミアムヘッドホンガイド2013SUMMER page 16/116

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複雑なパターンの溝が掘られています」とマット氏。さらに「ノズルインサート」と呼ばれるパーツをはじめて設けた。これを交換することで、3種類の異なる音質をユーザー側で選べる仕組みになっている。高い明瞭度を....

複雑なパターンの溝が掘られています」とマット氏。さらに「ノズルインサート」と呼ばれるパーツをはじめて設けた。これを交換することで、3種類の異なる音質をユーザー側で選べる仕組みになっている。高い明瞭度を狙った「ブライト(Bright)」、フラットでオールマイティな「バランス(Balanced)」、より深い低域を狙った「ウォーム(Warm)」である。「ノズルインサートの内部に綿のような素材を設置していて、その目の粗さや取り付ける場所で、とくに高域の周波数特性を調整しています」とショーン氏は解説してくれた。ちなみに前述のとおり、各ドライバーは新開発だが、シュア独自の設計となっている。「低域は振動板の可動域を大きく取り、中域は高出力を狙いました。また、高域はレスポンスがはやくなるよう調整しています」とのことだ。SE846のす巻頭SPECIAL本誌読者から絶大な支持を集める米国のプロフェッショナルブランド、Shure(シュア)。本社キーマンへのインタビューをもとに、ついに誕生した究極のイヤホン「SE846」の真価に迫る !究極のイヤーモニター堂々完成!シュアが到達した究極の“プレミアム” シュアの快進撃が止まらない。ついにこの夏、待望のフラグシップイヤホン、SE846がリリースされる。バランスド・アーマチュア・ドライバーは全部で4基。高域用、中域用に1基ずつ、低域用にはダブルで搭載した3ウェイ4スピーカー構成だ。いずれのドライバーもこのSE846のために新たに開発されたもの。それらを収める丸みを帯びたクリスタルクリアーのハウジングも美しく、このハイエンド機の立つべき場所を誇っているかのようである。 さて、この製品のプロモーションのためにシカゴのシュア本社から、キーパーソンが来日した。モニタリング・カテゴリー・ディレクターのマット・エングストローム氏とイヤホン・プロダクト・マネージャーのショーン・サリバン氏である。ここでは彼らの言葉を交えながら製品の魅力に迫ってみたい。 開発にあたり、エンジニアやデザイナー、マーケティング担当など約25名をプロジェクトメンバーとして組織。エンジニアはアコースティック、エレクトリカル、メカニカルにそれぞれ担当がわけられたそうだ。「従来製品を超えるよいものを作りたい」という想いがチーム全員にあり、試作品は膨大な数にのぼったそうだ。いわく「それだけでミュージアムができるほど」だったという。 開発における最初の命題は「イヤホンの細いノズルは、高域部の影響を受けやすい。それをいかに解決するか」だったという。その過程で、2つのパスを設ける手法にたどり着いた。まず、SE846の個性を決定づける重要なフィーチャーのひとつが「ローパスフィルター」である。これは同社のアコースティックエンジニア、スコット・フリンカー氏のアイデアを形にしたもの。低音域用ドライバーから放たれた音は、10枚にも及ぶプレートを通過し、自然な形で減衰していく。「各プレートの形状でロールオフの周波数を設定しました。構造的に強度を保つために、ステンレスプレートには16 PREMIUM HEADPHONE GUIDE